気密測定・VOC調査

 近年、新築・リフォーム住宅では省エネルギー基準が設けられております。その省エネルギー住宅に大切なのは、高気密・高断熱です。断熱材や最新の高性能設備などを設置しても、建物に隙間があっては何の意味もありません。
 当社では、一般住宅などの隙間の大きさを調べる「気密測定」を行っております。その他にも住宅・建物に欠かせない「換気量調査(風量測定)」も行っております。

住宅気密測定

 気密測定とは、簡単に説明するとその建物の隙間の大きさを測る測定のことです。また、測定した隙間の大きさを「C値」という数値で表します。(単位:cm²/m²)このC値が隙間の大きさ(面積)を示しております。
※詳しくは、住宅における相当隙間面積の事で、建物全体の隙間面積を延床面積で割った数値です。

 理想的なC値としては、寒冷地方(北海道や北陸地域)の場合は2.0cm²/m²以下、その他の地域では5.0cm²/m²以下となっております。各市町村や住宅メーカーによってC値をどのくらい低くしているかは区々ですが、一般的は最低でも上記の結果が求められます。そのため、気密測定は重要な値を出すための測定となっております。

わかりやすいC値の面積について

例:延床面積が40坪(約132m²)の場合
 C値が1.0cm²/m²であれば建物全体で100cm²の隙間面積、C値が0.2cm²/m²なら約26cm²の隙間面積となります。

 1.0cm²/m²をイメージしやすくするとハガキ1枚分くらいで、0.2cm²/m²では名刺のサイズの半分くらいの大きさです。

※ちなみに、長野県については、冬はかなり気温が低くなる寒冷地域ですので多くの住宅メーカーが高気密住宅を建てる傾向があります。当社で測定を行った場合多くの住宅が0.1~0.3cm²/m²のC値を出しております。

測定方法について

 当社では、「JIS A 2201(送風機による住宅等の気密性能試験方法)による減圧法」で測定を行っております。

測定器の紹介

 測定については、校正を行い万全の状態で管理しております。

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当社実績について

 過去3年間での測定実績としては

  • 2021年・・・161棟
  • 2020年・・・163棟
  • 2019年・・・201棟(増税前による住宅需要の増加、また新型コロナの影響前)

 住宅の建設に関しては波はありますが、年間120棟以上の測定実績をもっております。

気密測定の一連の流れについて

  1. お問い合わせ(電話又はHPから)内容を確認させていただきます。
  2. 測定を実施したい建物の住所・図面(平面図、立面図、矩計図)・測定してほしい日程の準備をお願いします。
  3. 2でいただいた情報をもとに当社で測定予定を計画します。
    (繁忙期棟、状況によっては測定日を調整させていただきたいと思いますのでご協力お願いいたします)
  4. 気密測定士が測定にお伺いいたします。基本、準備から撤収まで半日を見込んでおります。
  5. 測定が完了したら、報告書と請求書を作成し御依頼者へ郵送又は持参とさせていただきます。

風量測定

 建築設備の基準の中には、吸排気の排気量を一定に保つ必要があります。施設のよって独自の規制基準があったとしても、基本的に平均風速(m/s)×開口有効面(m²)×3600(s)で計算を行うことで換気量が測定することができます。当社では、風速を測定することでその施設の排気量を測定することができます。

※機械換気設備、居室棟の機械換気設備、排煙機の性能、機械排煙機設備排煙口が主に測定対象となることが多いです。

VOC測定

 VOC測定は、シックハウス・シックスクール・シックビル症候群の対策のために行う測定です。学校やビルなど、様々な建物で床・壁の張替え工事などを行うと目には見えない化学物質が蔓延し、人体に影響与える可能性があります。

 特に、シックスクール症候群では学校の先生や生徒が、体調不良などを訴えるケースもございます。場合によっては、一般家庭でも起こりうる可能性があります。

 建物に関して、大きな変更等を加えたあと体調不良などが出た場合は、VOC測定を実施することをおすすめ致します。

 シックハウス・シックスクール対策として、厚生労働省や国土交通省、文部科学省等でガイドラインが策定されています。濃度指針値と測定方法についてご紹介いたします。

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揮発性有機加工物 健康影響 発生源 室内濃度指針値
ホルムアルデヒド 短期:目や鼻の刺激、呼吸器の不快感
長期:発ガン性
接着剤・防腐剤 100μg/m3
(0.08ppm)
トルエン 短期:目や気道への刺激、精神錯乱・披露・吐き気、意識低下や不整脈
長期:頭痛・疲労・脱力感・不整脈
塗料用の溶接・希釈剤 260μg/m3
(0.07ppm)
キシレン 短期:のどや目の刺激、頭痛、疲労、精神錯乱
長期:頭痛、不眠症、興奮などの精神症状
塗料用の溶剤・希釈剤 200μg/m3
(0.05ppm)
バラジクロロベンゼン 短期:目・皮膚・気道の刺激、肝臓・腎臓の機能低下
長期:肝臓・腎臓・肺への影響
防虫剤・トイレの芳香剤 240μg/m3
(0.04ppm)
エチルベンゼン 短期:のどや目の刺激、めまい・意識低下
長期:皮膚炎
塗料用の溶剤・希釈剤 3400μg/m3
(0.08ppm)
スチレン 短期:目・鼻・のどへの刺激、眠気・脱力感
長期:中枢神経影響、めまい
ポリスチレン樹脂・合成ゴムの原料 220μg/m3
(0.05ppm)